焚き火でキャンプをとことん楽しもう
- Yutaka Nakao

- 7月10日
- 読了時間: 9分
更新日:10月21日
焚き火と料理の極意
キャンプの醍醐味といえば、揺らめく炎を眺めながら過ごす時間と、自然の中でいただく美味しいキャンプ飯ではないでしょうか。ここでは、焚き火とキャンプ料理をより深く楽しむための方法をご紹介します。
1. 焚き火を最大限に楽しむ方法
焚き火はただ薪を燃やすだけでなく、効率的に育て、様々な方法で活用することで、キャンプの楽しみが格段に広がります。
1.1. 薪(焚き木)拾いから始める
購入した薪を使うのも良いですが、キャンプ場内で許可されている場所であれば、落ちている小枝や枯れ葉を集める「焚き木拾い」もおすすめです。 因みに、“ひなた森”キャンプエリアは、焚き木拾い自由です。
自然との触れ合い
森の中を散策しながら、焚き木を探すのは自然との一体感を味わえる体験です。リスの食べた胡桃の殻や、動物の足跡を発見することもありますよ。
燃料費の節約
自ら集めることで、薪代の節約にもなります。また、気によって香りも違います。山桜の枝を探して焚き火をすれば燻煙で調理を楽しめます。
着火材の確保
杉の枯れ葉や松ぼっくりは、焚き火の最初の着火材として非常に役立ちます。積極的に探して集めると良いでしょう。
ポイント
拾う際は、完全に乾燥しているものを選びましょう。湿ったものは煙が多く、なかなか燃えません。また、生木は伐採されたばかりの木で、乾燥していないので燃えにくいので避けましょう。
1.2. 火おこしについて
火おこしは焚き火の最初の難関ですが、コツを掴めば誰でも簡単にできます。
着火材の準備
乾燥した杉の枯れ葉や松ぼっくり、細い小枝、麻ひもをほぐしたものなどが最適です。湿っている時は市販の着火剤を使うのも手軽です。
空気の通り道を確保
焚き火台の中に、小さく丸めた着火材となるほぐした麻ひもを置き、その周りに細い小枝を井桁状や三角錐状に組んでいきます。枝同士の間に空気の通り道を作ることが重要です。
火をつける
ライターやマッチ、火打石などで、麻ひもや着火材に火をつけます。火が燃え広がってきたら、火を育てる気持ちで、焦らず少しずつ細い枝から順に薪を加えていきます。
うちわや火吹き棒で送風
火が小さい間は、うちわや手動のブロワーで優しく風(空気)を送ると、より効率的に火が育ちます。ただし、強すぎると返って消してしまう場合がありますから、優しく送ることが大切です。
1.3. 効率的に焚き火を育てる方法
火おこしが成功したら、次のステップは火を安定して大きくすることです。
徐々に太い薪へ
細い枝から始め、火が安定したら少し太い薪、そして通常の薪へと段階的にサイズアップしていきます。
空気の供給
薪を組み重ねる際は、常に薪と薪の間に空気の隙間ができるように意識しましょう。空気が不足すると不完全燃焼を起こし、煙が多くなります。
薪の組み方
井桁型
薪を井戸の「井」の字のように組むキャンプファイアなどで使われる方法。安定して薪を置け、空気の通り道も確保しやすいです。焚き火調理など、早く熾火をつくりたい場合にも使えます。ただし、一気に燃えるので、ゆっくり焚き火を楽しめたい場合には不向きです。
合掌型(ピラミッド型)
薪を立てかけるように組む方法。上昇気流が生まれやすく、早く火力を上げたい時に向いています。ただし、火が上にかなり高く上るのでタープを張る場合注意が必要です。
川の字型
薪を2〜3本川の字に平行に並べて燃やす方法。薪同士の隙間に1センチ程度隙間を開けるのがコツで、ゆっくり静かに焚き火を楽しみたい時に向いています。
火起こしと焚き火のポイントまとめ
燃えやすい麻ひものほぐした物から杉の葉、松ぼっくり、小枝と順に燃やして火を育てます。バーナーライターや着火剤を使うと楽ですが、ファイヤースターター、メタルマッチなどと呼ばれる現代版火打石などを使い、苦労しながら火起こしを楽しむことをお勧めします。焚き火に対する気持ちも変わり、その火で作る料理は格別です。
また、湿った枯れ枝がある場合は、焚き火の近くや焚き火台の下などに置いて乾かしながら使用しましょう。
1.4. 熾火(おきび)の使い方
焚き火が燃え進み、炎が落ち着いて赤く炭化した状態を「熾火」と呼びます。この熾火こそが、キャンプ料理の最高の熱源となります。
安定した火力
熾火は炎がないため、食材が焦げ付きにくく、安定した高温を長時間保てます。
燻製やダッチオーブン料理
温度管理がしやすいため、燻製やダッチオーブンを使った煮込み料理、パン焼きなどに最適です。
調理後の保温
熾火の上に鍋やケトルを置けば、料理の保温や湯沸かしにも使えます。
ポイント
熾火を作るには、十分な量の薪を燃やし、真っ赤な状態になったら薪を崩して平らに広げると良いでしょう。
2. キャンプで効率的に「煮る」「炊く」「蒸す」
焚き火やガスバーナーを活用して、美味しいキャンプ飯を作りましょう。
2.1. 炊飯の方法
キャンプでの炊飯は、飯盒(はんごう)やダッチオーブン、メスティンなど様々な調理器具で可能です。
お米を研ぐ
事前に自宅で研いでくるか、キャンプ場で少量の水で手早く研ぎます。
浸水
お米の量の1.2~1.5倍程度の水に、最低30分(理想は1時間以上)浸します。夏場は短め、冬場は長めに。
加熱
強火で沸騰
蓋をして適度な強火にかけ、沸騰し吹きこぼれてくるまで加熱します。
弱火で蒸し焼き
吹きこぼれてきたら焚き火を崩して弱火(熾火)にし、水分がなくなるまで10~15分加熱します。(パチパチという音が聞こえ始めたら、水分がなくなってきた証拠です)
蒸らし
火から下ろし、蓋をしたまま10~15分蒸らします。
完成
全体を軽く混ぜて完成です。
ポイント
焚き火で炊飯する際は、あまり火が弱いと吹きこぼれが分からずに弱火にするタイミングが分からずに焦げつかしてしまいます。沸騰までの目安は8分から10分程度と考えて、焦げ付かぬように注意しましょう。
2.2. キャンプで効率的に「煮る」「炊く」「蒸す」
様々な調理方法を組み合わせることで、キャンプ料理のレパートリーが広がります。
⚫︎煮る(シチュー、カレー、汁物など)
ダッチオーブン
鋳鉄製で熱伝導率が高く、保温性に優れているため、煮込み料理に最適です。蓋に炭を乗せれば、上下から加熱できます。
焚き火の熾火
安定した熾火の上に鍋を置けば、じっくりと煮込むことができます。
ガスバーナー
火力調整がしやすいため、素早く沸騰させたい時や、弱火でじっくり煮込みたい時に便利です。
⚫︎炊く(ごはん、パエリア、リゾットなど)
飯盒やメスティン
軽量で持ち運びやすく、ソロキャンプや少人数での炊飯に最適です。
ダッチオーブン
大人数用の炊飯や、炊き込みご飯、パエリアなどにも活用できます。
⚫︎蒸す(蒸し野菜、シュウマイ、肉まんなど)
蒸し器(コッヘル+蒸し)
鍋の中に蒸し網をセットし、少量の水を入れて加熱すれば、手軽に蒸し料理ができます。
ダッチオーブン+蒸し網
ダッチオーブンは密閉性が高いため、より本格的な蒸し料理が可能です。食材のうま味を閉じ込めてふっくらと仕上がります。
共通のコツ
下準備
事前に食材を切っておく、調味料を混ぜておくなど、できるだけ下準備をしていくと、現地での調理がスムーズになります。
保温
料理が冷めないように、保温機能のある容器に入れるか、熾火の上に置いておくのも良いでしょう。
焚き火台を安全に楽しむためのアドバイス
キャンプでの焚き火は、火を囲んで語らう最高の時間ですよね。焚き火台と焚き火シートを正しく使うことで、山火事のリスクを大幅に減らし、安全に焚き火を楽しむことができます。
1. 焚き火を始める前の準備
施設のルールを確認する
キャンプ場によっては、焚き火台や焚き火シートの使用が義務付けられている場所もあります。また、直火が禁止されている場所では、必ず焚き火台を使用しましょう。事前にルールを確認し、それに従ってください。
因みに、FLORA Campsiteの“ひなた森”キャンプエリアは、焚き火台や焚き火シートの使用が義務付けられています。
焚き火台と焚き火シートの準備
焚き火台の下には、必ず焚き火シート(不燃シート)を敷いてください。火の粉や灰が地面に落ちるのを防ぎ、地面へのダメージを最小限に抑えます。焚き火シートは、焚き火台のサイズよりも一回り大きいものを選びましょう。
場所選び
焚き火を行う場所は、枯れ草や落ち葉、テントなどの燃えやすいものから十分離れた、平坦で風通しの良い場所を選びましょう。可能であれば、周囲に石や土で囲いを作り、延焼を防ぐのも効果的です。
水と消火用具の準備
バケツやペットボトルなどにたっぷりの水を用意し、すぐに使える場所に置いておきましょう。シャベルやスコップなども近くに準備しておくと安心です。
2. 焚き火中の注意点
火の管理を徹底する
焚き火中は絶対にその場を離れないでください。
少しの時間でも火の状況は急変する可能性があります。
冬季や春先などは、季節風に注意が必要です。焚き火用のウインドスクリーンをセットして安全に配慮しましょう。
特に風が強い場合は、焚き火を中止するか、より一層の注意を払いましょう。
燃やすものは適切に
乾燥した薪や炭を使用し、プラスチック製品、スプレー缶、生木など、有害物質を排出したり爆発する可能性のあるものは絶対に燃やさないでください。
火の粉に注意
焚き火台の形状によっては火の粉が飛び散ることがあります。特に風向きに注意し、テントや衣類に燃え移らないように気をつけましょう。必要であれば、火の粉止めネット、風除けなどのアクセサリーも活用してください。
子どもやペットから目を離さない
焚き火の周りでは、子どもやペットが火に近づかないよう、常に目を配り、安全を確保しましょう。
3. 焚き火の後始末
完全に消火する
火が消えたように見えても、炭の内部には熱が残っていることがあります。水をたっぷりかけ、完全に冷めるまで確認してください。触れるくらいまで冷めているか、必ず手で触って確認しましょう。
灰の処理
完全に冷めた灰は、キャンプ場指定の場所に捨てるか、火消し壺などに入れて自宅に持ち帰りましょう。焚き火シートの上に落ちた灰や燃えカスもきれいに片付け、自然の中に残さないようにしてください。
焚き火台と焚き火シートは、安全な焚き火のために非常に有効なアイテムです。これらを適切に使用し、上記の点に注意することで、美しい自然を守りながら、焚き火の温かい時間を存分に楽しむことができます。
これらの方法を参考に、白州・尾白 FLORA Campsiteでのグランピングやキャンプを存分にお楽しみください。






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